ライバーの副業は会社にバレる?5つの経路と住民税の注意点

「ライバーとして副業を始めたいけれど、会社にバレないか心配」「顔出ししなければ、会社の人には分からないのでは」。ライブ配信で副収入を得たいと考えていても、勤務先への影響が気になって始められない人もいるでしょう。結論からいうと、会社員がライバーとして副業することは可能ですが、絶対にバレない方法はありません。知られるきっかけは住民税の手続きだけでなく、配信映像やSNS、知人からの情報など複数あります。一方で、正しい税務手続きとプライバシー設定を理解しておけば、不必要なトラブルは減らせます。この記事では、会社に知られる5つの経路と、住民税・確定申告の仕組み、事務所に所属する場合の注意点を整理します。
01ライバーの副業は会社にバレる?
TikTok LIVEで配信活動を始めたからといって、その事実が自動的に勤務先へ通知されるわけではありません。しかし配信はインターネット上で公開されるため、職場の同僚や知人が偶然視聴する可能性があります。
さらに、副業で得た収入については税金の手続きが必要になる場合があります。特に注意したいのが住民税です。会社員の住民税は、通常は勤務先が給与から差し引いて納付する「特別徴収」という方法で支払われます。副業の所得が住民税の計算に反映されると、勤務先が扱う税額にも影響する場合があります。
ただし、住民税が増えたからといって、会社が副業の内容を必ず特定できるわけではありません。まずは、会社に知られる可能性がある経路を理解しておきましょう。
02会社に知られる5つの経路
① 住民税の金額が変わる
会社員が副業で収入を得た場合、住民税の金額に影響することがあります。通常、会社員の住民税は本業の給与から天引きされます。そこに副業分の所得が加わると、給与だけで計算した場合よりも住民税が高くなる可能性があります。
勤務先の給与担当者などが税額の違いに気づき、副業をしているのではないかと考えるケースも想定されます。ただし、住民税の金額は副業以外の所得や各種控除などによっても変わるため、税額の違いだけでライバー活動が判明するとは限りません。納付方法については後ほど詳しく解説します。
② 同僚や知人に配信を見つけられる
TikTok LIVEはインターネット上で視聴できるサービスです。勤務先の同僚や取引先、知人が偶然配信を見つける可能性があります。例えば次のような場合です。
- 配信中に顔が映っている
- 声や話し方で本人だと気づかれる
- 勤務先や居住地域について話している
- 配信背景から場所が特定される
- 視聴者が配信の内容を知人に共有する
顔を出していなくても、声や会話の内容から本人だと分かる場合があります。また、ライブ配信は視聴者が画面を録画したり、スクリーンショットを保存したりする可能性もあります。配信中に公開した情報は、自分が意図しない形で広がることがあるため注意が必要です。
③ TikTokのおすすめに表示される
TikTokには、知り合いの可能性があるアカウントをおすすめする機能があります。公式ヘルプによると、おすすめの根拠になるのは次のような関係です。
- 電話番号やメールアドレスが相手の連絡先に入っていて、どちらかが連絡先を同期している
- Facebookで友達になっていて、双方が友達リストを同期している
- 共通のつながりがある(同じアカウントをフォローしている、相手をフォローしている人をフォローしている など)
- 相手が自分をフォローしている
つまり、同僚とTikTok上で直接つながっていなくても、スマホの連絡先に相手の番号が入っているだけで、自分のアカウントが表示される可能性があります。
公式ヘルプには「18歳以上の場合、これらの設定は初期状態でオンになっている」と書かれています。自分で設定した覚えがなくてもオンになっているため、副業として活動するなら、始める前に確認しておくべき項目です。
関連する設定は2つあり、どちらもプライバシー設定から変更できます。1つ目は、自分のアカウントを誰におすすめするかの設定です。
- TikTokアプリで下部の「プロフィール」をタップする
- 上部のメニュー(三本線)をタップし、「設定とプライバシー」を選択する
- 「プライバシー」をタップし、「他のユーザーにアカウントをおすすめする」をタップする
- 連絡先、Facebookの友達、リンクを開いた人など、誰におすすめするかを選ぶ
2つ目は、連絡先とFacebookの友達を同期するかどうかの設定です。
- TikTokアプリで下部の「プロフィール」をタップする
- 上部のメニュー(三本線)をタップし、「設定とプライバシー」を選択する
- 「プライバシー」をタップし、「連絡先とFacebookの友達を同期」をタップする
- 同期のオン・オフを切り替える。過去に同期したデータの削除もここから行う
注意したいのは、端末側でTikTokの連絡先アクセスを切っただけでは不十分な点です。公式ヘルプには、アクセスを解除しても、過去に同期した連絡先に基づくおすすめは続くと説明されています。同期済みのデータそのものを削除する必要があります。
ただし、これらの設定をオフにしても、知り合いに絶対に表示されなくなるわけではありません。共通のつながりなど、連絡先の同期とは別の経路でおすすめされる場合があります。
④ SNSの投稿から本人が特定される
TikTok以外のSNSから、ライバー活動が知られる場合もあります。例えば、InstagramやXなどで普段使用しているアカウントと、配信用アカウントに共通点があるケースです。同じユーザー名、プロフィール画像、写真などを使っていると、別のアカウントであっても同一人物だと推測される可能性があります。
また、配信中に本業の仕事内容や勤務先の情報を詳しく話すことも、本人の特定につながる可能性があります。副業として活動する場合は、自分がどの範囲まで個人情報を公開するのかを事前に考えておきましょう。
⑤ 自分や知人の発言から知られる
意外と見落としやすいのが、日常会話や知人を通じて副業が知られるケースです。仲のよい同僚に配信を始めたことを話し、その情報がほかの社員に伝わることも考えられます。また、ライバー活動で収入が増えたことをSNSに投稿した結果、勤務先の人に気づかれる場合もあるでしょう。
副業を公表するかどうかは個人の判断ですが、誰にどこまで伝えるかを考えておくことが大切です。
03住民税を普通徴収にすればバレない?
ライバーの副業について調べると、「住民税を普通徴収にすれば会社にバレない」という情報を見かけます。しかし、この説明には注意が必要です。そもそも住民税には主に2つの納付方法があります。
会社員の本業の給与にかかる住民税は、原則として特別徴収です。一方、給与以外の所得に対する住民税については、一定の条件で普通徴収を選択できる場合があります。
報酬が雑所得・事業所得の場合
TikTok LIVEの報酬を業務委託契約などに基づいて受け取っている場合、活動の実態によって雑所得または事業所得に該当することがあります。このような給与以外の所得については、確定申告書の第二表にある「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」を選択する方法があります。
ただし、自治体や申告内容によって取り扱いが異なります。例えば東京都文京区は、「申告の内容によっては、「自分で納付」を選択していても、特別徴収となる場合があります」と案内しています。給与以外の所得がマイナスの場合などが例として挙げられています。
もう一つ見落としやすいのが、徴収方法を選び忘れたときの扱いです。東京都渋谷区は、給与以外の所得について徴収方法を選択していない場合、令和7年度までは普通徴収としていたが、令和8年度以降は特別徴収になると案内しています。確定申告のときに「自分で納付」へチェックを入れ忘れると、勤務先経由で納めることになります。
普通徴収を希望したからといって必ず希望どおりになるとは限りません。事前に住んでいる自治体の税務担当窓口へ確認しましょう。
報酬が給与所得の場合
ライバーとしての報酬が給与所得に該当する場合は、扱いが異なります。例えば、別の会社に雇用され、給与として報酬を受け取る場合です。副業の給与にかかる住民税は、原則として本業の給与にかかる住民税と合算して特別徴収されます。
東京都渋谷区は、令和8年度の住民税から、すべての給与を合算して税額を計算し、給与にかかる住民税をすべて主たる勤務先から特別徴収する取り扱いを明示しています。確定申告書で「自分で納付」を選んでも、副業の給与から生じる住民税は主たる勤務先から特別徴収されます。
重要なのは、事務所に所属しているかどうかではなく、実際の契約と報酬の性質です。
04副業の配信に確定申告は必要?
会社員がTikTokライブで収入を得た場合、一定の条件で所得税の確定申告が必要になります。よく知られているのが、年間所得20万円という基準です。
給与を1か所から受け取り年末調整を済ませているなど、一定の条件を満たす会社員は、給与以外の所得が年間20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告が不要となる場合があります。ただし、20万円は収入額ではなく所得金額です。例えば次のように計算します。
この場合、配信所得は28万円となり、ほかの条件を満たす会社員でも確定申告が必要になるのが一般的です。一方、年間収入が25万円で必要経費が10万円なら、配信所得は15万円です。
ただし、ほかの副業所得がある場合は合算して判断する必要があります。また、医療費控除などのために確定申告する場合は、20万円以下の副業所得についても申告が必要です。
20万円以下でも住民税の申告は必要
注意したいのは、所得税と住民税の違いです。所得税の確定申告が不要となる場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。
例えばさいたま市は、「税務署において所得税の確定申告書の提出が必要ない場合でも原則として、市民税・県民税では申告が必要です」と案内しています。「年間20万円以下なら会社にも税務署にも何も分からない」という考え方は誤りです。
なお、所得税の確定申告書を税務署に提出する場合は、原則として市区町村への住民税の申告は不要とされています。配信で報酬を得た場合は金額を記録し、必要な申告を行いましょう。
05会社が副業禁止でもライバーになれる?
まず理解しておきたいのは、会社員の副業が法律によって一律に禁止されているわけではないという点です。厚生労働省は副業・兼業の促進に関するガイドラインを公表し、副業に関するルールの整備を進めています。
一方で、企業が合理的な理由に基づいて副業を制限できる場合もあります。例えば次のようなケースです。
- 副業によって本業に支障が生じる
- 会社の機密情報が漏れるおそれがある
- 競合する事業によって勤務先の利益が損なわれる
- 会社の信用や名誉を損なう行為がある
また、就業規則で副業の事前申請や届出が求められている場合もあります。TikTok LIVEを副業として始める前に、勤務先の就業規則を確認しましょう。
副業禁止の規定があるからといって、すべての副業が当然に違法になるわけではありません。しかし、規則を無視して活動した場合、社内でのトラブルや懲戒処分に関する問題が生じる可能性があります。特に公務員については、一般の会社員とは異なる兼業制限があるため、別途確認が必要です。
06顔出しなしならバレずに配信できる?
顔を映さないことで、見た目から本人を特定される可能性を抑えられる場合があります。しかし、顔出しなしであっても身元が分かる可能性は残ります。声や話し方、配信中の会話、背景の音などから気づかれるケースです。また、同じ名前やアイコンを別のSNSで使用していると、アカウント同士が関連付けられることもあります。
顔出しなしで活動するときの確認項目
- 配信背景に住所や個人情報が映らないか
- 勤務先の名称や業務上の秘密を話していないか
- 配信アカウントと私用SNSの情報が不必要につながっていないか
- TikTokの連絡先同期やおすすめ表示の設定を確認したか
- 視聴者による録画やスクリーンショットの可能性を理解しているか
ただし、これらの対策を行っても、完全に匿名で活動できるとは限りません。顔出しなしは身元特定のリスクを下げる方法の一つであり、会社にバレないことを保証するものではありません。
07事務所に所属すると会社に連絡される?
事務所に所属すると勤務先へ通知が届くのではないかと不安に感じる人もいるかもしれませんが、所属すること自体が勤務先への自動通知につながるわけではありません。重要なのは、事務所との契約内容や報酬の支払い方法です。
業務委託契約に基づいて報酬を受け取る場合と、雇用契約に基づいて給与を受け取る場合では、税務上の扱いが異なります。前述のとおり、給与として受け取る場合は本業の給与と合算して特別徴収される取り扱いになります。また、事務所に所属していても、本人が確定申告を行う必要がある場合があります。
所属前に確認したいこと
「事務所に入れば会社にバレない」「所属すれば確定申告は不要」といった説明は、そのまま信用しないでください。契約形態によって税務上の扱いは変わりますし、バレない保証を事務所ができるものでもありません。
08始める前のチェックリスト
会社員がライバー活動を始める場合は、配信環境だけでなく、勤務先の規定や税金についても確認しておくと安心です。
09副業についてよくある質問
月1万円稼いだら会社にバレますか
月1万円の配信収入だけで、勤務先に必ず知られるわけではありません。ただし、SNSや知人を通じて活動が知られる可能性はあります。また、年間の所得によって税務上の申告が必要になる場合があるため、少額でも収入と経費を記録しましょう。
住民税を自分で払えば会社にバレませんか
給与以外の所得については、普通徴収を選択できる場合があります。しかし、申告内容によっては希望しても特別徴収になることがあり、選択自体を忘れると特別徴収になる自治体もあります。住民税以外の経路で配信活動が知られる可能性もあるため、普通徴収を選べば絶対にバレない、とは言えません。
確定申告をしなければ会社にバレませんか
確定申告をしないことは、会社への発覚を防ぐ適切な方法ではありません。申告義務があるのに申告しなければ、無申告加算税や延滞税などの問題が生じる可能性があります。必要な税務手続きは適切に行いましょう。
本名を使わずに活動できますか
TikTokでは、公開するアカウント名としてニックネームなどを使用できます。ただし、収益化や本人確認、報酬の受け取りなどの場面では、TikTokや契約先から本人情報の提出を求められる場合があります。公開名を本名以外にしたからといって、すべての手続きが匿名で行えるわけではありません。
収入を得ずに配信するだけなら問題ありませんか
収益が発生していなくても、勤務先の就業規則や配信内容によっては問題となる場合があります。業務上の秘密を漏らしたり、会社の信用を損なったりする行為には注意が必要です。副業に該当するかどうかも含め、勤務先の規定を確認しましょう。
10バレない保証はないが、確認できることはある
ライバーとして副業を始めても、その事実が自動的に会社へ通知されるわけではありません。しかし、住民税や配信映像、SNS、知人からの情報などを通じて、勤務先に知られる可能性があります。特に重要なのは次の5つです。
- 住民税の普通徴収を選んでも、会社にバレない保証はない
- 顔出しなしでも、声やSNSなどから本人が特定される可能性がある
- 副業所得が20万円以下でも、住民税の申告が必要な場合がある
- 事務所との契約形態によって税務上の扱いが異なる
- 会社の就業規則を確認し、本業に支障のない形で活動する
税金そのものの仕組みについては、確定申告が必要になるラインや経費の考え方を別の記事で詳しく解説しています。あわせて確認してください。
BIJON LIVEでは、契約形態や報酬の受け取り方について、所属前にマネージャーが個別に説明します。ただし、勤務先に知られないことを保証するものではありません。税務上の判断は税務署または税理士に、就業規則に関する問題は勤務先や専門家にご確認ください。
11参考にした資料
- 国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」
- 厚生労働省「副業・兼業」
- 東京都文京区「副業がある場合の徴収方法について」
- 東京都渋谷区「令和8年度特別区民税・都民税・森林環境税から、給与やその他の所得が複数ある場合の住民税の徴収方法の取扱いが変更になります」
- さいたま市「副業の所得が20万円以下の場合でも申告は必要ですか?」
- TikTok「おすすめのアカウント」
※本記事は2026年10月時点の公的資料およびTikTok公式情報を基にした一般的な解説です。住民税の取り扱いは自治体によって異なります。記事内の文京区・渋谷区・さいたま市の例はあくまで一例であり、お住まいの自治体の取り扱いを必ず確認してください。
